この文書では,MCS-4を構成する4001~4004までに共通して存在する端子についてまとめて説明します.

4ビットのバスD0~D3

4001にはアドレスとデータ共用の4ビットバスがあります.アドレスとデータの切り分けは時分割になっており,それぞれ12ビットと8ビットですのでアドレスの指定とデータ読み書きには3サイクルと2サイクル必要です.

電源VDDとVSS

MSC-4を構成するIC(4001~4004)のゲートはP-ch MOS FETのみで構成されており,電源電圧は単電源のマイナスになります.具体的には標準的だった-15[V]で,VDD=-15[V],VSS=0[V](GND)でした.従ってLowが-15[V],Highが0[V]です.この電圧はMCS-4を構成する他のICと同様ですので,いくつも電源を用意する必要はありませんでした.

 クロックΦ1Φ2

MSC-4には2種類のクロック信号Φ1とΦ2があります.これらのクロックは同じ周波数ですが位相が180度ずれています.このように,2種類のクロックのことを2相クロックといいます.それに対して最近のCPUでは1種類のクロックで動作するものが多く,これを単相クロックといいます.MCS-4ではすべて2相クロックを使っていますが,その理由は何でしょうか?.それは,情報を記憶するときMCS-4ではラッチを使っているのに対し,最近のCPUではフリップフロップを使っているからです.ラッチを使う場合,レーシングという現象が起こる可能性がありますが,その対策として2相クロックを使うのです.詳しくはこちらのページをご覧ください.

同期信号SYNC

MCS-4では4004から出力される同期信号を4001などの周辺機器が受信して同期を取ります.そのとき使用されるのがSYNCです.MCS-4ではクロックΦ1およびΦ2が8サイクル(ROMのアドレスが3サイクル,データが2サイクル,命令実行が3サイクル)で1命令となっており ,最初のROMアドレスを送信する直前で立ち上がるようになっています.つまり,SYNCが立ち上がるタイミングが命令の開始合図と言えます.

リセット信号RESET

この信号がLowのときリセットされます.