RaspberryPIの初期設定のうち,raspi-configで行うこと以外でまず行っておきたいことはやはりネットワーク設定です.長野高専の無線LAN環境は,EAP-TTLS認証方式+ステルスアクセスポイントを利用しているため,オーソドックスな設定ではネットワークに接続できません.この文章ではRaspberryPIで無線LANを利用できるようにするための設定を記します.

環境

まずはハードウェア環境とネットワーク環境について述べます.

  • 本体 - Raspberry PI zero 2
  • OS - Rapsbian bookworm (2024年11月版)
  • セキュリティの種類 - WPA2-エンタープライズ
  • サインイン情報の種類(認証方式) - EAP-PEAP
  • アクセスポイントの状態 - 公開

新しい手順

画面右上にあるアクセスポイントから,接続したいSSIDを選択します.そして下のように設定をすると接続できます.なお,ユーザー名はぼやかしてありますが,もちろん入力する必要があります.

20241119 23h15m55s grim

古い手順

順を追って説明していきます.なお,ここに書かれたすべての手順は,スーパユーザになったうえでのことです.

  1. /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.confを編集します.このとき,こちらのページではwpa_passphraseによりpskを生成しておりましたが,本校の場合には認証方式がEAP-TTLSであるため,テキストエディタで直接編集します.なお,緑色の字で書かれている個所は,本校学生ならわかるアクセスポイント名で,オレンジ色の字で書かれた箇所は各自異なるものとなります.
    ctrl_interface=DIR=/var/run/wpa_supplicant GROUP=netdev
    update_config=1
    network={
        ssid="アクセスポイント名"
        identity="ユーザ名"
        password="パスワード"
        key_mgmt=WPA-EAP
        eap=PEAP
        scan_ssid=1
    }
    
  2. 最後にwlan0を動作させ,DHCPサーバよりIPを取得できるか確認します.そのために,まずはifdownによりwlan0を無効化し,そののちifupによりwlan0を活性化させます.
    root@raspberrypi:~# ifdown wlan0
    root@raspberrypi:~# ifup wlan0
    Internet Systems Consortium DHCP Client 4.3.1
    Copyright 2004-2014 Internet Systems Consortium.
    All rights reserved.
    For info, please visit https://www.isc.org/software/dhcp/
    Listening on LPF/wlan0/b0:c7:45:a9:91:9c
    Sending on LPF/wlan0/b0:c7:45:a9:91:9c
    Sending on Socket/fallback
    DHCPDISCOVER on wlan0 to 255.255.255.255 port 67 interval 3
    DHCPDISCOVER on wlan0 to 255.255.255.255 port 67 interval 8
    DHCPDISCOVER on wlan0 to 255.255.255.255 port 67 interval 16
    DHCPREQUEST on wlan0 to 255.255.255.255 port 67
    DHCPOFFER from 192.168.143.1
    DHCPACK from 192.168.143.1
    bound to 192.168.143.236 -- renewal in 1433 seconds.
    

 

以上の設定をしておけば,次回起動したときにも自動的にネットワークへ接続するはずです.