はじめに
この文書では,ISE WebPACKにおいてまれに発生する,Verilogのモジュールがシミュレーション時に認識されなくなってしまう問題の対処方法について述べています.本来であれば,テストベンチを追加すると自動的に対象となるVerilogのモジュールをISE WebPACKは認識します.しかし,何かの拍子にVerilogのモジュールが認識されず,そのモジュールがどこにあるか分からないことを示すアイコンがISE WebPACK上に表示されることがあります.そのようなときに,こちらのページの方法で対処してください.
環境
- Xilinx社製 ISE WebPACK 14.7
- Windows 10
症状
まずはどのような症状になっているか説明します.下の図はVerilogのモジュールの様子を示しています.ここでは5つのモジュールが存在していることが分かると思います.
次にシミュレーション時のVerilogモジュールの様子を示します.先ほどと同じモジュールについて,シミュレーション時にはISE WebPACKにとってどこにあるか分からないことを表すアイコンになっています.
対処方法
対処方法として,認識してくれなくなってしまったVerilogのモジュールのプロパティを修正します.下の図をご覧ください.ここでは一例としてDividerForDynamicLightingモジュールについて修正します.Verilogのモジュールを操作することのできるImplementationにしたのち,当該モジュールであるDividerForDynamicLightingモジュールを右クリックし,そののちSource Propertiesを選択します.
次に,現れたダイアログの中にあるView AssociationをAllに変更します.おそらくもともとはImplementationになっていると思います.このためにシミュレーション時に当該モジュールが表示されなくなってしまっていたものと思われます.そこで,AllにすることでImplementation時およびSimulation時ともに表示できるようになります.
試しに当該モジュールがシミュレーション時に認識されているか確認します.下の図のようにViewをSimulationにしてみるとDividerForDynamicLightingモジュールが正しく認識されていることが分かります.
後は同じ手順で認識されていないモジュールのプロパティを修正すれば正しくシミュレーションが行われるようになります.