• 湿地帯における流量計測のための水位計測システム開発

    本研究は飯綱町の大谷地湿原の保全活動に携わっている環境都市工学科の酒井美月教授の依頼により行っている.湿地には水の保全や浄化をはじめとした様々な割があるが,近年はヨシの繁茂などによる陸地化が進んでいる.
    ヨシの繁茂がどの程度湿地の水量に影響を及ぼすのかを明らかにするため現在酒井研究室では湿原内の水位,気温などを計測しそこから流量を計算することで乾燥の様子を把握しようと取り組んでいる.この研究では流れ込む水量,流れ出す水量,湿地内の地下水位などを時間単位で計測する必要があるが高専から離れた場所にある大谷地湿原に行き手動で計測するのは難しいため自動で計測を行い,オンライン上から計測したデータを確認できるシステムを作るのが本研究の目的である.
    また湿原には観光地という側面もあり,陸地化が進むと観光地としての価値が失われてしまう.研究者に限らず多くの人に大谷地の環境改善に興味を持ってもらい,最終的には地域の活性化につなげるという目的もある.
  • 電子部品管理システムの開発

    芦田研究室はマイクロコンピュータを利用した研究が多いため, たくさんの電子部品を取り扱う.たくさんの電子部品を取り扱っていると電子部品の在庫の場所や個数を把握しきれないことがある.
    また, 電子部品を使用する頻度が高かったり寿命が短い電子部品があったりするため, 電子部品を購入する頻度が高い.電子部品の在庫管理や購入に時間がかかると研究に費やせる時間が減ってしまう.そこで本研究では電子部品の在庫管理のための在庫管理機能, 電子部品の発注の簡略化のための発注管理機能を兼ね備えたシステムを開発している.
  • 鳥獣被害防止用電気柵管理システム

    電気柵にはイノシシやシカなどの野生動物から農作物を守るため,または放牧している動物を外に出さないようにするための役割を持っている.電気柵に張られたワイヤーに強い電気を流しそれに触れた動物に対して,痛みを学習させそれを怖いと思う心理を利用し,動物を柵から出さない,柵に近づかせないようにしている.電気柵の多くは山の中に設置されており,そのため草が絡まるなどして,電気柵の電圧が下がってしまうことがある.電圧低下の対策として,現在は定期的に人が現場に行き,電気柵の電圧を測定して電圧が下がっていないかの確認を行っている.もし電圧が下がっていても,毎日測定に行けないためすぐ問題に気づけず,結果として動物が柵を越えてしまう可能性がある.そこで本研究では,電圧を定期的に測定してそれをクラウド上にアップロードし,Web上でデータを確認できるシステムを開発している.

  • 高校野球の試合における試合運営支援システムの開発

    現在,日本の高校野球人口は減少傾向にある.日本高等学校野球連盟の調査によると,部員数合計は2014~2021年で連続で減少している.高校野球人口の減少に伴い,部員数が試合成立のための最低人数を満たせていない高校は増加し,公式大会への参加を辞退する高校や複数校で連合チームとして参加する高校も存在する.多くの野球部は技術向上のために他校と練習試合を行うが,練習試合を運営する際重要な要素として,スコアブック記入,BSO掲示,スコアボード掲示,試合アナウンスが挙げられる.これらの要素が無いと,スムーズな試合運営が行われないことや,試合後の戦績フィードバックが行えなくなってしまうため,これらは練習試合において必要不可欠である.各要素は試合中絶えず変化するため,それぞれに担当を割り振らなければならず,これらの仕事を少人数でこなすのはチームにとって大きな人的負担となってしまう.さらに,スコアブック記述には野球のルールについての深い知識が必要なだけではなく,スコアを記述するための複雑な知識も必要となる.
    これらの負担を解消するため,先行研究ではスコアをつけるという作業を容易にするために作成されたスコアブックアプリと,BSOをまとめて遠隔制御できるシステムを開発した.本研究ではこれらを引き継ぎ,試合運営支援システムを開発することを目指している.本年度はスコアボード制御アプリの開発に取り組んだ.今後は,試合運営システムを完成させることを目的として取り組む.