概要

この文書では,Raspberry PiのOSであるRaspbianに対し,起動前にワイアレスネットワークの設定をする方法について述べています.これにより,キーボード,マウス,モニタなしに,別のパソコンからSSHを通じて初期設定をすることができます.

環境

なお,OSのイメージの書き込みはすでに済んでいるものとします.

設定

OSのイメージをSDカードに書き込むと,ボリューム名bootのパーティションがSDカードに作られます.このディレクトリにこのあとに説明するファイルを設置すると,OSの起動時に自動的にその設定ファイルを読み,設定を実行してくれるという流れになっています.ではそのファイルについて説明します.

wpa_supplicant.confがそのファイルです.本来このファイルは/etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.confにあります.つまり,OSの起動時にこの場所にコピーし,さらにそのファイルにもとづいてOSは設定を行います.

では,テキストエディタでwpa_supplicant.confファイルを編集し,bootパーティションに置きましょう.ただし,このテキストエディタがLinux用改行コードLFに対応している必要があります.Windows10標準のエディタではこれに対応していません.そこで確実なのは秀丸やMKEditorなどでファイルを編集することをお勧めします.下の例ではアクセスポイントの名前(SSID)がtest,パスワードがhogeの場合を表しています.ポイントとしては,ssid,パスワードともにダブルクォーテーションで囲むようにすることです.繰り返しますが,改行コードをLF(Unix)にして保存しておいてください.

country=JP
ctrl_interface=DIR=/var/run/wpa_supplicant GROUP=netdev
update_config=1
network={
    ssid="test"
    psk="hoge"
}

Raspberry PiのIPアドレスの確認

設定用パソコンとRaspberry Piをネットワークで接続し,SSHなどで設定をする場合,Raspberry PiのIPアドレスを知らなければなりません.DHCPでIPアドレスを割り振る場合,Raspberry Pi のIPアドレスは一定ではありません.このようなとき,スマホのテザリングが便利です.これなら,スマホでRaspberry Piに払い出されたIPアドレスを確認することができるからです.また,自分が持っているスマホのテザリングであれば,パスワードも自分で決められることもあり,利便性が大変高いです.ぜひこちらを試してください.