はじめに

SONYが中心となり展開しているELTRES™,ある案件で使用することになりました.ここではELTRESのことはじめについて,いつものように備忘録として書き残しておきたいと思います.

環境

ELTRESを簡単に使えそうなArduinoをここでは使いました.

設定

ハードウェア編

 まず,Arduino Mega 2560にシールドを接続します.シールドには2種のアンテナを接続した状態でArduinoに接続します.シールドの接続,意外と分かりづらいです.というのは,Arduinoとシールドの端子数が完全に一致しているわけではないので,どちら詰めにして接続するのかがわからないのです.まずは下の図を見てください.これをトップビューとしてます.

TopView

 

次に,上の写真では手前側の端子接続を下の図に示します.こんな感じでArduinoとシールドが接続されていない端子があるのが分かるかと思います.

FrontView

 

次に2つ上の写真では奥側の端子の接続を下の写真に示します.こちらも接続されていない端子が見て取れます.

BackView

 

 ソフトウェア編

はじめに,ライズナー社から提供されたライブラリcxm1500geをIDEで使えるようにしました.Windowsの場合,下記フォルダに置きました.

ドキュメント\Arduino\libraries\cxm1500ge

下の図は設置した様子を表しています.一部不要なファイルも含まれているかもしれませんが….

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次にArduino IDEを起動します.レイズナー社から提供されているサンプルプログラムを開きます.上記のフォルダにexamplesがあり,その中にsimple_send_payloadというスケッチがあります.下記のようにスケッチを開きます.

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次にターゲットボードを設定します.ツールメニューにあるボードから,下図のようにArduino Mega 2560を選択します.

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Arduinoとシールドの接続が終わったらIDEでダウンロードするため,USBケーブルをパソコンとつなぎます.この後,シリアル通信もするので下図のようにシリアルポートを指定しておきます.私の環境ではCOM5になったようです.

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では書き込みます.下の図のように右矢印アイコンを押します.およそ10秒ほどで書き込まれるはずです.うまくいくと「ボードへの書き込みが完了しました」というメッセージが現れます.

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クラウド編

ライズナー社のシールドにはPNPS(パンプスと読むようです)というIoTデータ可視化サービスがあります.ここではPNPSを使う設定を行います.下の図のようにpnps.a-rms.comへ行き,ログインをします.

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まだ登録していない場合には下図のようにします.

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次に利用目的を選択します.ここではデバイス開発や提供を目指すので下のようにします.

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メールアドレスとパスワードを設定します.利用規約に同意するチェックマークを入れて無料登録をします.

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下図のようにメールをチェックするように促されます.メールをチェックし,その中に書かれているURLへアクセスします.20分間の間に行う必要があるようです.

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ログインすると下のようになります.まずはデバイスの追加から行っていきます.同じく下の図のように「デバイスの追加」を選択してください.

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下に示すようにデバイスを追加していきます.この時,シールドに同封されている簡単な取扱説明書に記載されたIFourIDとTokenKeyが必要です.下の図ではそれらは墨消ししてあります.

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追加が終わると下の図のようにデバイスが追加されるはずです.

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動作確認

上記のことを行うとデータが送られるようになるはずです.Arduino IDEに備わるシリアルモニタを開きます.

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今回の通信は115200bpsですので,右下にある速度をそのようにしてください.

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シリアルポートには次のようなメッセージが表示されます.大事なこととしては,GPSの情報を取得できるようにするため,なるべく出窓のようなところにArduinoをはじめ,シールドを置くようにした方がいいです.そうでないとうまくデータが送られて行かないようです.

Library's version  = 0.2.1
Init OK
< SYS RESET SET ON
> SYS RESET SET OK

< SYS MODE SET 00
> SYS MODE SET OK

< SYS EEPROM GET 0x0218
> SYS EEPROM GET 0x0000012C

< SYS EEPROM GET 0x0400
> SYS EEPROM GET 0x00000001

< SYS EEPROM GET 0x0600
> SYS EEPROM GET 0x00000000

*** pow_enable_remain_offset: 300 
*** periodic1 enable: 1 
*** event     enable: 0 
< SYS STT SET_EVT ON
> SYS STT SET_EVT OK

FETCHING_TIME

Feching Time....
EPM_FILL

---GPS connected---
> GNSS HOST_FW_SENT SET_EVT OK

cxm1500GE WakeUp
| $GPGGA,043406.00,3640.6903,N,13813.9630,,1,03,3.6,65.2M,364,M,,*65

< TX PLD SET 1FF0048862CC5ED45ED8416EFFFFFFFF

> TX PLD SET OK

※上記3行(これらはGPSの情報)を何度か繰り返す

WAIT_TX_PREPARE

※断続的にGPS情報が表示される

DF_WAIT_TX_START

※断続的にGPS情報が表示される

cxm1500GE Sleep
< GNSS HOST_FW_SENT SET_EVT 0x0000
> GNSS HOST_FW_SENT SET_EVT OK

< SYS STT SET_EVT ON
> SYS STT SET_EVT OK

cxm1500GE WakeUp
< SYS STT SET_EVT ON
> SYS STT SET_EVT OK

WAIT_TX_PREPARE

※以降,同じようなメッセージが表示される

 

 では,送信されたデータを見てみましょう.下の図のようにPNPSのダッシュボードから,「データ閲覧」を押します.20

下の図のようにデータが届いています.

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ここまででPNPSにデータが送られてくるところまで確認できると思います.