TKM-Hにはたくさんの部品があります.TKM-Hを説明するのに先立ち,この文書で部品やボードの名称を覚えておいて下さい.ボードごとに説明していきます.


 

  • メインマイコンボード

    北斗電子社製マイコンボードHSBRX62N-AをTKM-Hではメインマイコンボードと呼びます.このボードには,ルネサスエレクトロニクス社製R5F562N8BDFBや32[MB]のSDRAM,Ethernetコントローラ,USBホスト用コネクタなどが搭載されています.TKM-Hのメインマイコンとして司令塔の役割を果たします.
    メインマイコンボード表メインマイコンボード裏

  • メインマイコンボード搭載ボード

    メインマイコンボードの下に位置し,メインマイコンボードにある汎用ピンのすべてと接続しています.このボードには,タクトスイッチ,ジョイスティック,SDカード,圧電スピーカ,キャラクタLCD,3軸デジタルコンパス,EEPROM,赤外線受信モジュール,Bluetooth,ZigBeeが搭載されています.
    メインマイコンボード搭載ボード表メインマイコンボード搭載ボード裏

    下の図は,メインマイコンボードをメインマイコンボード搭載ボードに接続した様子を表しています.この2つのボードだけ取り外すことができ,また多くのデバイスを搭載しているため,これらだけでも組込みソフトウェアの実習を行うことができます
    メインマイコンボードをメインマイコンボード搭載ボード


  • ドットマトリクスディスプレイ付き距離センサボード

    ドットマトリクスディスプレイとして8×8のLEDアレイを配し,さらに赤外線式距離センサが備わっています.これらのデバイスを制御するため,マイクロチップス社製PIC16F1936が装備されており,ある程度の処理を任せることができます.たとえば,メインマイコンとI2Cで通信することでドットマトリクスディスプレイをメインマイコンから制御することができるようになっています.
    もうひとつ,ボードの特徴として,メインマイコンボード搭載ボードのコネクタのうち,メインマイコンボードが搭載されるコネクタの1つにドットマトリクスディスプレイ付き距離センサボードを搭載することができます.これにより,メインマイコンボード搭載ボードにあるタクトスイッチ,アナログジョイスティック,3軸デジタルコンパス,EEPROMをPIC16F1936で制御することができます.つまり,PICの教材としても利用できるようになっているということです.下の図は,メインマイコンボード搭載ボードが本来接続されるコネクタに,ドットマトリクスディスプレイ付き距離センサボードを接続した例です.このように接続することで,PICの演習を行うことができます.
    メインマイコンボード搭載ボードとドットマトリクスディスプレイ付き距離センサボード

    下にドットマトリクスディスプレイ付き距離センサボードの写真(左側:表面,右側:裏面)を示します.表面には,中央付近に距離センサとドットマトリクスディスプレイが見て取れるかと思います.また,右上方にはマイコンへダウンロードするとき用いるダウンロード用ピンヘッダが,左下方にはダウンロード時に切り替えるダウンロード用スイッチがあります.裏側にはドットマトリクスディスプレイ付き距離センサ制御用マイコン,距離センサの出力先を切り替えるピンヘッダ,ドットマトリクスディスプレイをドライブするためのトランジスタアレイ,ドットマトリクスディスプレイを制御するときにマイコンと接続するピン数を減らすためのシフトレジスタなどがあります.
    ドットマトリクスディスプレイ付き距離センサボード表ドットマトリクスディスプレイ付き距離センサボード裏

  • 電源ボード

    電源ボードには,単3電池6本を直列に載せることのできる電池ボックスを接続できます.これらの電池は基本的にENELOOPを利用していますので,1.2×6=7.2[V]の電源となります.この電源を元に,モータには3.3[V],メインマイコンなどロジック電源としては5[V]を供給します.
    電源ボード

  • カメラボード

    カメラボードには,最大解像度640×480のCMOSカメラ,SRAM,FPGAを搭載しています.撮影した映像はFPGAで処理し,SRAMにバッファリングした後,メインマイコンで更なる画像処理をできるようにしてあります.下の図はカメラボードです.右側が表面,左側が裏面です.
    カメラボード表カメラボード裏

  • ベースボード

    ベースボードには,DCモータとドライバ,回転数検知用フォトインタラプタ,路面検知用フォトインタラプタと赤外線LED,テールランプが備わっています.回転数検知用フォトインタラプタ,モータの軸に取り付けられた,5個の穴が開いた円盤の下に取り付けられており,DCモータが回転するとインタラプタからON/OFFの信号がマイコンに送られるようになっています.この結果,モータの回転数を調べることができます.下の図はベースボードの表面です.DCモータがあることが確認できるかと思います.
    ベースボード表

    下の図は回転数検知用フォトインタラプタです.両軸のモータに円盤が取り付けられており,回転数を検知することができます.
    回転数検知用フォトインタラプタ

    下の図には,モータドライバとテールランプ,さらにそれらを制御する駆動用マイコンへダウンロードするときに使うピンヘッダ,ダウンロード切替用スイッチが描かれています.
    駆動部制御マイコン用ダウンロードピンヘッダ

    下の図には路面検知用フォトインタラプタを制御するマイコンへダウンロードするときに用いるピンヘッダや切り替えスイッチが描かれています.また,ベースボードにあるデバイスのみを動作させられるよう,ベースボード電源供給用ジャックが備わっています.
    路面検知センサ用制御マイコンダウンロードピンヘッダ

    反射型フォトインタラプタはベースボードの底面に取り付けられており,TKM-Hの下にある路面状況(黒と白のパターン)を読み取ることができます.下の図はベースボードの裏面です.路面検知用フォトインタラプタ,赤外線LED,2個のマイコンが見て取れます.
    ベースボード裏


    このボードには2個のマイコンが備わっており,片方はモータの駆動・制御を行う駆動用マイコンPIC18F25K80-I/SO,もう片方は路面検知フォトインタラプタ制御用マイコンPIC18F8490-I/PTです.駆動用マイコンにはCAN通信を行えるように,周辺機能が備わっており,メインマイコンとCANにより通信することができます.路面検知フォトインタラプタ制御用マイコンはI2C通信を行えるようになっており,メインマイコンへ路面状況を伝えることができます.
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